Z世代とは?X・Y世代とどう違う?特徴や消費行動など解説
変化を見据えてZ世代に適したマーケティングにシフトしよう!
Z世代は生まれた時からデジタル機器やインターネットに触れる環境があった世代です。
世界とすぐにつながれる環境によって、社会問題への思い入れや関心の強い点が特徴といわれています。
他者との違いを受け入れてお互いを尊重する考え方は、自分らしさを重視する消費行動にもつながっています。
情報へのアクセスに長けたZ世代には、旧態依然のマーケティングでは通用しません。Z世代に適したマーケティングにシフトしましょう。
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この記事の目次
Z世代ってどんな世代?
Z世代は、一般的に1990年半ば〜2010年代初頭に生まれた世代を指して使う言葉です。
アメリカではジェネレーションZ(Generation Z)と呼ばれています。
日本では「ソーシャルネイティブ」・「スマホネイティブ」などの言葉でも表現され、世界人口のおよそ1/3を占めています。
日本でZ世代が占める割合は人口の約14%とも言われ、これから商品やサービスを創造する企業にとっても、Z世代の嗜好や価値観は重要な意味を持っています。
Z世代がほかの世代と比べてどこが違うのか、その特徴的な要素を知っておきましょう。
世代ごとの年齢と特徴まとめ
アメリカでは、1960年〜1974年生まれを「X世代」と名付けたことからスタートして、1975〜1990年代前半生まれが「Y世代」、そして1990年代後半〜2010年初頭の生まれを「Z世代」と呼ぶようになりました。
ただし、これらの分類は厳密に年代が決められているわけではありません。
また、ミレニアル世代のようにZ世代と似た文脈で使われる言葉と混同してしまうこともよく起こります。
それぞれの世代ごとの生まれた時期や特徴を紹介します。
ミレニアル世代
ミレニアル世代は、1983~1995年前後に生まれた人を指して使われます。この世代は、物心がつく頃にはデジタル機器が普及し始めていました。
パソコンや携帯電話といった機器を使いこなせる、それまでの世代よりもITリテラシーが高めの世代です。
Y世代
Y世代は、1981~1990年代後半生まれを指して使われる言葉です。
生まれた時代はミレニアル世代とも重なっているため、ミレニアル世代と同じ意味合いで使われることも多い世代です。
ミレニアル世代と同様に、若いうちにインターネットが身近にあった点がそれまでの世代との大きな違いでしょう。
消費行動や考え方が大きく変わり、物欲から離れた「さとり世代」にも当てはめられることがあります。
Z世代
Z世代は、1990年中ごろ~2010年代初頭生まれでY世代に続く世代と定義されています。
厳密に定義されているわけではなく、Y世代とZ世代をまとめてミレニアル世代と呼ばれるケースも散見されます。
ただし、Y世代までと明らかに違うのが、生まれた時にはIT技術や製品が当たり前のものとしてあった点です。
Y世代もデジタルに強い世代であるもののZ世代はそれ以上で、デジタルを使いこなす一方でインターネットやSNSへの警戒心も持っています。
生まれた時からソーシャルメディアや、高度なIT技術に囲まれてきたZ世代は、これまでの世代と全く違う価値観を持っていると考えられ、新しいトレンドの中心として注目されています。
α世代
Z世代の続く世代とされているα世代は、2013~2020年中盤頃に生まれた人を指して使われます。
α世代は、2022年現在はまだ幼く、社会進出は2030年代から2040年代です。ミレニアル世代の子ども世代が、α世代に該当します。
α世代は、リアルとオンラインコミュニティの結びつきが強く、インターネットも現実の一部と認識している世代といえるでしょう。
SNSが当たり前にあるため、多様な人々の活動にアクセスできます。役割や距離を越えて自由に行動できると予測される世代です。
幼少期からプログラミング教育が行われることも特徴で、社会進出とともにどのような活躍を見せてくれるのかと期待を集めています。
Z世代が持つ特徴
Z世代は、社会にも進出していて購買市場でも存在感を発揮しています。Z世代には、どのような特徴があるのかまとめました。
多様な価値観を認める個人主義
Z世代はインターネットやSNSで多くの人種、経験を持つ人と触れ合うことができる世代と言われています。
多様な価値観を持つ人と接する機会が多いため、多様性やダイバーシティの価値観が強い点が特徴です。
そのため、性別やブランドといった昔からある価値観よりも、自分の心地よさや気に入るかどうかを重視します。
他人からの評価に敏感
個人の価値観を重要視するZ世代でも、他人の目や対人関係は気にしないかといえば、そうとは言い切れません。
Z世代はSNSが近い環境で成長してきた世代です。
そのため、親と仲間との関係性を重視しているほか、他人から認められることにも執着があると言われています。
人から認められたいと感じることは良い面もありますが、一方で他人からの評価を気にしてしまいがちな側面もあるかもしれません。
他人からどう見られるかといった意識が強い世代です。
SDGsや社会問題に強い関心がある
Z世代は、社会問題への関心が強いことも特徴です。これは、成長期にリーマンショックや震災に触れていることが理由と考えられています。
また、バブル崩壊後に生まれているため、将来をあまり楽観視しない傾向があります。
近年、災害からの復興や、環境問題への社会的な取り組みが進むようになりました。
SNSやインターネットを通じた問題提起が手軽になり、個人であっても世界に向けて発信できるようになったことも社会問題への関心につながっています。
Z世代は、貧困や環境といった社会問題を他人事と考えない、自分の問題として考えて自分にできる行動に移すことができる世代と言われています。
マスメディアを離れインターネット中心の情報収集
生まれた時からインターネットやSNSがあるZ世代は、情報へのリテラシーと警戒心も強い傾向があります。
マスメディアへの信頼は薄く、情報収集はインターネット中心でいくつかのニュースやサイトを参考にします。
ほかの世代に比べて、誰のどの意見を信じるかを決断するのに慎重になりやすい点も特徴です。
Z世代に対しての宣伝は、公式のホームページで情報を掲載するだけでなくアクセスしやすい媒体やリンクも用意しておくことも検討してみてください。
また、信憑性がない情報や信頼できない商品に対して厳しい態度をとるので、信頼できる情報の提供に努めましょう。
Z世代が注目される理由
Z世代が成長して、商品の購入や様々な意思決定を行うようになり、市場でも存在感を増してきています。
Z世代がほかの世代と比較して注目されている理由を紹介します。
トレンドの発信源、消費の中心となっていく世代だから
Z世代は、全世界で20億人以上もいて、消費規模も大きくなっています。アメリカ国内でのZ世代の購買力は440億ドルとも言われ、今後も拡大が期待できる世代です。
また、消費の中心でありながら、自分の生活や価値観に合うものしか興味を持たない傾向があります。
そのため、従来のマーケティングでは通用しない部分が大きく、多くのブランドがマーケティングの方向転換が必要と考えられています。
価値観や生活様式がZ世代から変化しているから
Z世代の特徴として無視できないのがスマホの存在です。Z世代は、スマホなどのデジタルデバイスがない時代を知りません。
情報収集から地図やショッピング、勉強やネットバンキング、出会い探しまで、スマホが1台あればなんでもできてしまいます。
スマホを使っている人はたくさんいても、スマホを使って何をしているかは千差万別である点も重要です。
スマホの登場によって、人々の生活は大きく変わりました。これはZ世代の特性にも表れています。代表的なのが、テレビや活字離れです。
人と同じものを見たり読んだりして安心するよりも、人と違っても、自分にあったコンテンツを選択する形に魅力を感じるのがZ世代の傾向でしょう。
これは、今までの世代とは大きく変化している点のひとつです。
発信力が高く、誰しもがインフルエンサーになりうるから
Z世代は、スマホやデジタル機器になじんでいるため、SNSや動画アプリと言ったコミュニケーションにも長けています。
耳にすることが多くなった「バズる」のキーワードにもそれは表れています。
ある事柄や人が「バズる」とは、インターネットやSNSで注目を集めることですが、「バズる」は、選ばれた人や特別な人だけに与えられたものではありません。
身近な写真や、ちょっとした考えをネットを通じてつぶやくだけでも、拡散されて世界中の人の注目を集めることもあります。
自分の意思や表現を発信することによって、誰しもがインフルエンサーになりうるZ世代は、人とわかち合いたいと感じる気持ちが強く、情報の発信もアクティブです。
時には、巷を席巻するような影響力を見せることもあります。
Z世代の消費行動の特徴
Z世代は購買力が高く消費市場を担う存在です。消費行動には、どのような特徴があるのかまとめました。
所有よりも体験や共感
高級品やブランド品、みんなと同じものを欲しがるといった消費に対する価値観は廃れつつあります。
トレンドを追いかける「モノ消費」を離れて注目されるようになったのが「コト消費」です。
「コト消費」はモノではなく体験を重視した消費スタイルです。習い事や旅行といった体験ができるかどうかで購買する商品やサービスを決めます。
さらに、消費の価値観が変化して生まれたのが、「イミ消費」です。
「イミ消費」は、そのブランドの価値観や考え、社会貢献への考え方に共感できるかどうかによって消費を決めるスタイルです。
商品やサービスの価値だけでなく、その社会的、文化的な考えに共感できるかによって選択します。
SDGsへの関心の高まりも「イミ消費」に関連しており、SDGsの課題に取り組んでいる、関わっている商品やサービスを利用することで、消費に社会貢献であるといった付加価値が加わります。
フェアトレードも同様に多くの人が関心を寄せているテーマでしょう。フェアトレードの製品を購入することによって、その思想を共有できるためです。
Z世代は社会問題への関心が高く、「イミ消費」される商品はこれからも増加していくと考えられます。
ブランドよりもコスパ
不況を肌で感じながら成長してきたZ世代は、保守的で現実主義な面があります。
ハイブランドへの憧れよりも、コストパフォーマンスや実用性を重視して商品やサービスを選ぶようです。
インターネットやSNSの発達によって、商品やサービスの情報を集めやすく、比較して選びやすくなりました。
選択肢が増えたことで、消費する時には比較検討して納得したものを選びます。
有名ブランドに対しても、有名ブランドである憧れで購入するよりも、品質や性能、コンセプトを吟味します。
Z世代はお金を出し渋るわけではなく、自分が価値を感じれば支出を惜しみません。共感できる商品であれば、ファンやリピーターとなってくれるケースもあります。
自分らしさを優先
Z世代は、世界中にある多様な価値観に触れる機会がある世代なので、多様性への理解を当然のことと感じています。
それは、自分の価値観に対しても同じで、自分らしさを尊重する傾向が強く、ブランドをコンセプトとして評価します。
ブランドの規模やステイタスに関係なく、自分に合っていると感じれば柔軟に受け入れるようです。
Z世代に刺さるマーケティングとは
Z世代は、価値観や消費行動がほかの世代とは違います。今までと変わらないマーケティングでは、Z世代の心は動かないかもしれません。
以下には、どのようなプロモーションが効果的かを紹介します。
商品のストーリーや想いを伝える
Z世代は、消費行動自体に意味を求めます。商品の背景にあるエピソードや想い、社会貢献といったストーリーを伝えることが有効です。
商品やサービスのエピソードに共感できるかどうかが消費行動を決定します。
リアルな体験を提供する
Z世代は単純に購入するだけの商品ではなく、そこから生まれる体験に魅力を感じます。例えば、実店舗で購入すること、接客を受けて購入するといった体験も付加価値です。
購入後に商品やサービスを利用している姿をSNSに投稿したり、気に入った商品を人と共有したりすることも体験といえます。
店舗運営では、顧客にどのような体験を提供できるのか、どのような体験をイメージさせることができるかを考えておきましょう。
実店舗とSNSのようにリアルとオンラインを両立させる
Z世代にとっては、デジタル端末の画面は現実の視界と同じリアルの一部です。いくつもの画面を同時進行で切り替えていく情報の扱い方は、購買傾向にも表れます。
実店舗だけの展開、インターネットやSNSだけの宣伝よりも、リアルとオンラインを両立させるようにしてください。
情報に絶えず接続しているZ世代には、実店舗で購入した商品をSNSで発信する、反対にリアルで見た商品をオンラインストアで購入するといったリアルとオンラインを両立できるプロモーションが有効です。
多様なチャネルでアクセスできるようにする
Z世代にとって、自分の意見や気になったことをSNSで公開することは生活の一部で、日々の出来事を複数のSNSで共有している人は珍しくありません。
Z世代とつながるためのチャネルは複数用意するようにしてください。公式ホームページだけでなく、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSも活用しましょう。
企業とのコミュニケーション方法は多様です。SNSを通じたオープンなコミュニケーションは、ファンの要望、意見を集めるためにも便利なツールです。
顧客の声から生まれた商品やサービスはZ世代に訴求しやすいストーリーです。消費者参加型の企画や商品、SNSの拡散など、今後も注目されるアプローチだと考えられます。
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まとめ
Z世代に対して、自分とは違う世代、理解できないと考えるのは大きな間違いです。
Z世代には、Z世代が育った時代があり、考え方も社会や世界の変化に順応する形で変化してきています。
広告やサービス、商品はすべて届ける相手がいて初めて、その実力や効果を発揮します。
Z世代の考え方、情報に対する姿勢を知ってマーケティングに活用しましょう。
(編集:創業手帳編集部)